こいのうた
第7章
取り返しのつかないこと
雅人君が転校してきてから早くも一ヶ月が経った。
季節は夏真っ盛り。
けれど、季節は変わっても
唯人君と雅人君の仲は相変わらずだった。
そんな二人を見ていても、私には何もできなくて…
小池君も事情は知らないけど、唯人君のことを心配しているようだった。
雅人君は雅人君で、唯人君と双子だということをちゃんとみんなに伝えてから、余計に人気が出た。
唯人君には私がいるから、雅人君を狙いはじめた女の子もいるというのを聞いたりもする。
ただ、私は二人が憎みあっているのを気にせずにはいられないんだ。
周りもそれをわかっていても何も言えないから、あえて触れないでいるのかな……?