こいのうた
どうしよう。
「ハァ……行きたくないな…」
放課後、私は美智子の所ではなくて
屋上にいた。
寒くて手がかじかんでも、職員室に行くよりはましだ。
「どうしよう…」
さっきも放送で呼び出された。
行かなきゃ。
でも……
夜に出歩いていることがバレていたら…?
停学……とか?
別に、それはいいけど…
唯人としばらく一緒に学校に行けなくなる。
……って
何考えてるの。私。
「…ハァ」
行かなきゃ。
私はゆっくりと立ち上がり、スカートについた汚れをパンパンと払った。
「よしっ…」
一度深呼吸をしてドアに手をかけた。
すると、逆の方向からドアを引かれて
私は転びそうになった。
「うわ…」
転ぶ……!?
「危ねー…」
「…!」
この声……
「…唯人…君…」
またどうして、こうタイミングよく現れる。
「職員室、行かなくて平気だよ!」
「へ?」