こいのうた

「んじゃあな。」



「うん。」



もう……バイバイか…



「今日も外行くの？」



「もちろん」



「そっか…じゃあ…」



そう言って唯人君が手元に出したのは



「携帯。電話かメールして？」



「…何で？」



「あー…深い意味はなくて。先生とかに見つかったら連絡してくれればいいから。」



「……」



「…っつても、実は俺が夜深の連絡先知りたいだけなんだけどさ…」



唯人君はあははっと笑うと私に携帯を差し出してきた。



「俺が送るから。赤外線あるよね？」



私はブレザーのポケットから携帯を取り出すと、唯人君の携帯とくっつけて番号とアドレスを受け取った。




「絶対送れよ!!」



私は何も言わずに、小さく頷いた。



「よし。じゃあな…お休み。」



唯人君は私に微笑んでから静かに自分の部屋に入った。