こいのうた

分からない



眩しい日差しが、カーテンの隙間を通って


瞼へとぶつかる。




眩しい……




「ん……」



私はしぶしぶ目を擦りながら、カーテンを勢いよく開けた。




「…っわぁ……」



初雪から二週間。



あれから雪など降らなかったのに。



今私が見ている景色は真っ白だ。




「すごい!すごいよ!!」



私はカーディガンを羽織って、ベランダに飛び出した。




そうだ。



写メって唯人君に送ろう。



私は充電してあった携帯を充電器から取って


カメラをその美しい景色へと向けた。




「なーにやってんの」



「ひゃっ…」




びっくりして、つい変な声を出してしまった。



ゆっくりと振り向くと



隣のベランダからニコニコしてこちらを見る唯人君がいた。




「…びっくり…したぁ~… 誰かと思った…」




ってゆうのは嘘。



本当は唯人君って知ってたんだ。



唯人君の声……



わかるようになったんだ……



何でだろう…



胸が躍る。









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