こいのうた
「わからない。わからないの……」
「…夜深、ごめん。もういいよ」
唯人君の腕の中でまた泣き出す私に
唯人君は困ったように言った。
でも私は続ける。
「……唯人君…ごめんなさい…ちゃんと話すから。私の気持ち…ちゃんと話すから……」
「うん。聞くよ。夜深の話なら尚更だ。」
私は唯人君のその言葉に少し安心して、顔を唯人君の胸にうずめた。
「私……嘘ついた。」
「は?」
「わからないって……でも、本当にわからなくて…でも、唯人君とずっと一緒にいたいとも思ってて…唯人君に抱きしめられてるときが大好きで……」
まるで……
「まるで…小さいときに、ある人がしてくれたみたいに抱きしめてくれて……」
「小さいとき……」
「…すごく…すごく安心できるの。ずっとこうしていたいって……」
ドキン
ドキン
ドキンーー
また、心臓が騒ぎ出す。
でも、全部話さないと、気が済まない。