こいのうた


私は唯人君の顔を下から覗くように、顔を上げた。






「ねぇ…こうゆう感情は何なのかな……」




「…俺…は……」




唯人君はそこまで言うと私をじっと見つめた。




そして




「それは、“好き”ってことだと思う」




と言って笑って……




「好きだよ」





私に……








キスをした。






「…っ……唯人君…」




「ごめん…無理矢理だったかもな。嫌だった?」



唯人君は頬に流れる私の涙をその大きな手で拭いながら、笑った。





「……全く、嫌じゃなかった。」




「そうか、じゃあ夜深は……」




「……?」




「俺のことが好きなんだ!!」




唯人君はそう言うと、突然立ち上がり、私をお姫様抱っこした。










< 81 / 268 >

この作品をシェア

pagetop