こいのうた
私は唯人君の顔を下から覗くように、顔を上げた。
「ねぇ…こうゆう感情は何なのかな……」
「…俺…は……」
唯人君はそこまで言うと私をじっと見つめた。
そして
「それは、“好き”ってことだと思う」
と言って笑って……
「好きだよ」
私に……
キスをした。
「…っ……唯人君…」
「ごめん…無理矢理だったかもな。嫌だった?」
唯人君は頬に流れる私の涙をその大きな手で拭いながら、笑った。
「……全く、嫌じゃなかった。」
「そうか、じゃあ夜深は……」
「……?」
「俺のことが好きなんだ!!」
唯人君はそう言うと、突然立ち上がり、私をお姫様抱っこした。