たった ひとつの 恋
゜・.* 出逢い *∴゜

   …* 1 *…




「ねぇ、日曜日に大学の学祭に行かない?」
私、櫻井莉子(サクライリコ)がお昼休みに教室でお弁当を広げていると同じクラスの親友の礼(レイ)が言った。
「大学?」
机を寄せてお弁当を持ってきた亜季(アキ)は不思議そうに礼の顔を見る。実久(ミク)も興味津々で礼のほうを見ていて。

それもそのはず。私達は高校のデザイン学科2年生。大学とのエスカレーターでもないし、近くに大学があるわけでもない。誰も兄弟が大学生っていうわけでもない。
「バイト先に芸大の人がいるって話したでしょ?その人が遊びにおいでって言ってくれてるの。みんなで行かない?」
礼は早々とお弁当を頬張りながら言った。
来年には就職か進学が控えている私達はまだ見ぬ“大学”に興味があって、日曜日に初めての学祭に行くことにした。


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