†神様の恋人†
シセは、さっそく今夜わたしのために初めての客をとると言った。

女物の白いワンピースを与えられ、わたしはしばらく一人になった。

……どうしてこんなことになっちゃったんだろう、と考えても頭がうまく回らない。

全てはわたしのおせっかい焼きが原因だけど、もとはと言えばカミーユだったという結論にいきつく。

「…カミーユのばか」

ポロポロと涙を零すか、カミーユに悪態をつくかで刻々と“その時間”は迫ってきてしまう。

……やっぱり逃げよう。

ドアは一つしかないけど、客が入ってくる瞬間を狙って強引にでも逃げるんだ。

何時間もかけて思いついた作戦は、それしかなかった。




今、何時なんだろう?

そう思ったその時、ドアの外で足音とシセの声が聞こえた。

「いやぁ。あなたのような方に買っていただけて幸せな女ですよ。では、ごゆっくり…」

……わたしの客が決まったんだ……!

そっとドアに近づいて壁際により、ドアの開く瞬間を待つ。



そして、ドアはゆっくりと開かれた。



…………神様―――――!!!


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