†神様の恋人†
わたしたちは無人の修道院を利用して一晩休憩をした。
全員疲れきっていたのか、前回のファビオのように起きだしてくる者もいなく、わたしもジャンヌもぐっすりと眠った。
自然に目が覚めた時には昼頃になっていて、わたしたちは昼食のパンを食べながら全員で輪になって話し始めた。
「皆さん、今夜の移動は昨夜よりも苛酷になります。夜までは充分に休憩をとりましょう」
ヴィエンヌ伝令使が落ち着いた声で全員を見まわしながら言った。
「なぁ、ジャンヌ。君はドンレミ村にいたんだろ?どうやってヴォークルールのあの堅物のボードリクール隊長を説き伏せたんだ?色仕掛けってわけでもないだろ?」
警護隊の一人のポールが、からかい半分な調子で言った。
「ボードリクール隊長にとってはわたしは単なる小娘。色仕掛けなんて通じるはずもない。わたしが持っている力は“信仰”だけ。色仕掛けが通じるなら神はいらないさ。だいたいわたしはドンレミ村で羊ばかり相手にしてきたから、男性の扱い方は全然知らない」
ジャンヌはそう言いながら、羊の毛を刈るしぐさをした。
すると警護隊たちの間にどっと笑い声が起こった。
「たしかに色気とはほど遠いな。なぁ、ドンレミ村の話を聞かせてくれよ」
急きたてるポールに、ジャンヌは明るい調子でドンレミ村の生活の話や女の子たちがよくする遊びなど笑いを交えて話す。
ドンレミ村の話をするジャンヌは生き生きとしていた。
彼らはすっかりくるくると表情を変えて話すジャンヌの虜になったようだった。
久しぶりに会話を楽しんでいる様子のジャンヌを見るのを自分も楽しくなりながら、ふと、カミーユがいなくなっていることに気づいた。
全員疲れきっていたのか、前回のファビオのように起きだしてくる者もいなく、わたしもジャンヌもぐっすりと眠った。
自然に目が覚めた時には昼頃になっていて、わたしたちは昼食のパンを食べながら全員で輪になって話し始めた。
「皆さん、今夜の移動は昨夜よりも苛酷になります。夜までは充分に休憩をとりましょう」
ヴィエンヌ伝令使が落ち着いた声で全員を見まわしながら言った。
「なぁ、ジャンヌ。君はドンレミ村にいたんだろ?どうやってヴォークルールのあの堅物のボードリクール隊長を説き伏せたんだ?色仕掛けってわけでもないだろ?」
警護隊の一人のポールが、からかい半分な調子で言った。
「ボードリクール隊長にとってはわたしは単なる小娘。色仕掛けなんて通じるはずもない。わたしが持っている力は“信仰”だけ。色仕掛けが通じるなら神はいらないさ。だいたいわたしはドンレミ村で羊ばかり相手にしてきたから、男性の扱い方は全然知らない」
ジャンヌはそう言いながら、羊の毛を刈るしぐさをした。
すると警護隊たちの間にどっと笑い声が起こった。
「たしかに色気とはほど遠いな。なぁ、ドンレミ村の話を聞かせてくれよ」
急きたてるポールに、ジャンヌは明るい調子でドンレミ村の生活の話や女の子たちがよくする遊びなど笑いを交えて話す。
ドンレミ村の話をするジャンヌは生き生きとしていた。
彼らはすっかりくるくると表情を変えて話すジャンヌの虜になったようだった。
久しぶりに会話を楽しんでいる様子のジャンヌを見るのを自分も楽しくなりながら、ふと、カミーユがいなくなっていることに気づいた。