†神様の恋人†
夢中で話すジャンヌと警護隊の輪からそっと抜け出て、修道院の外へと出た。

「…カミーユ?」

どこを見渡してもカミーユの姿が見えない。

……カミーユ、また突然いなくなってしまったんだろうか?

いつの間にか、カミーユが傍にいないと不安になってしまう自分に気がつく。

初めて逢ったのは、11歳の時だった。

河で溺れかけていたわたしを助けてくれたカミーユ。

あの時は神を全く信じていないカミーユと喧嘩になったっけ。

次に再会したのは4年ほどあとで、また突然だった。

ヴォークルールの宿屋で酒に酔っていたカミーユとまた喧嘩。

娼館での一件のあと、忽然と姿を消してからまた1ケ月半。

今、再びこうして彼と旅することになるなんて。

……カミーユ、あなたはいつもフランスの青い風のように気ままで、すぐに消えるくせに、またすぐにわたしの心に突然すっと入ってくる。

……怖いよ、神様。

カミーユがいない世界も。

カミーユに惹かれていく自分も…………!!




「…やっぱりきた、ミシェル」







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