†神様の恋人†
「……ばかか?お前」

……また出た、カミーユの冷笑とセットのそのセリフ!!

「だ、だって、ジャンヌは皆に好かれるし、今だって人気者だもの。わたしなんてまだまだ子供…って…え…と……それじゃ、カミーユが護りたい人って……」

………まさか……?

ジャンヌではないってことは………まさか………!?

おもむろに腕をつかまれて反転させられたかと思うと、修道院の壁に背中を押しつけられた。



「カミっ…」





「ジュ・テーム…ミシェル」








唇に息を吹きかけるように、キスする直前に愛していると言ったカミーユに、応える術を奪われたわたしは、どうすればよかったんだろう?

受けてしまったキスは、きっと神様にも止められない。

ジュ・テームの吐息で魔法をかけられたわたしは、彼のキスを受け入れた。



……だって本当は、その言葉をずっと待っていたから。



でも、キスを終えた瞬間、わたしはキスとは裏腹に、涙を零して彼に告げた。



「…もうキスしないで…お願い、カミーユ……」





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