†神様の恋人†
少女は教会に舞い降りた
1422年
フランス東部ロレーヌ地方ドンレミ村。
のどかな麦畑と青空が広がり、羊の群れが行き交うこの村に、流れるような栗色の髪を風になびかせ駆ける少女の姿があった。
息を切らせながら、村の中央に位置する自らの家に飛び込んだその少女は、グレーがかったアーモンドのように愛くるしい瞳を見開いて母の姿を探した。
小さな窓から差し込む暖かな陽射しを受けながら糸を紡いでいた母は、その手をはたと止め娘を振り返った。
「まぁ、ジャンヌ。どうしたの?そんなに息を切らせて…」
「お母さん!教会に女の子が倒れてるの!!」
ジャンヌは、ドイツとの国境近くの小さな村ドンレミで生まれ育った。
彼女は、羊飼いの父ジャック・ダルクと、母イザベル・ロメとの間に生まれ、彼らの敬虔な信仰心のもとで真っ直ぐに育てられた。
ジャックマン、ピエール、ジャンの3人の兄と、カトリーヌという姉に囲まれ、村の中では比較的裕福な家庭で育った。
ジャンヌは両親の教えのもと、家の隣に建つ教会に足繁く通い、毎日のように祈りを捧げていた。
「ね、女の子でしょ?」
その少女は、教会のステンドグラスから色とりどりに落ちてくる陽射しに包まれていた。
白いけれども薄汚れたワンピースを身にまとい、その10歳にも満たないように見える少女は、キリストを拝むかのように礼拝堂に向かって倒れていた。
フランス東部ロレーヌ地方ドンレミ村。
のどかな麦畑と青空が広がり、羊の群れが行き交うこの村に、流れるような栗色の髪を風になびかせ駆ける少女の姿があった。
息を切らせながら、村の中央に位置する自らの家に飛び込んだその少女は、グレーがかったアーモンドのように愛くるしい瞳を見開いて母の姿を探した。
小さな窓から差し込む暖かな陽射しを受けながら糸を紡いでいた母は、その手をはたと止め娘を振り返った。
「まぁ、ジャンヌ。どうしたの?そんなに息を切らせて…」
「お母さん!教会に女の子が倒れてるの!!」
ジャンヌは、ドイツとの国境近くの小さな村ドンレミで生まれ育った。
彼女は、羊飼いの父ジャック・ダルクと、母イザベル・ロメとの間に生まれ、彼らの敬虔な信仰心のもとで真っ直ぐに育てられた。
ジャックマン、ピエール、ジャンの3人の兄と、カトリーヌという姉に囲まれ、村の中では比較的裕福な家庭で育った。
ジャンヌは両親の教えのもと、家の隣に建つ教会に足繁く通い、毎日のように祈りを捧げていた。
「ね、女の子でしょ?」
その少女は、教会のステンドグラスから色とりどりに落ちてくる陽射しに包まれていた。
白いけれども薄汚れたワンピースを身にまとい、その10歳にも満たないように見える少女は、キリストを拝むかのように礼拝堂に向かって倒れていた。