†神様の恋人†
ドサっと乱暴にベッドの上に倒された時、初めて暗がりの中でカミーユの顔を間近に見た。

カミーユの金髪から水が滴ってわたしの頬に落ちる。

体の上に乗り上げられたわたしの顔とカミーユの顔はすぐそばにあった。

髪と顔はお酒を水で洗い流したのかさっきよりもぐっしょり濡れていて、でもまだ少しお酒の匂いがぷんとした。

なんだか水が滴って妙に色っぽいカミーユ。

しかも上半身は裸だった。

「…カ…カミーユ」

ミシェルだと言ったら許してくれるだろうか?

そんなことを考えた瞬間、カミーユは皮肉たっぷりの笑顔で言った。

「…男を甘く見るなって言ったろ?“ただの”ミシェル」

………覚えてた……!!

ヒュっと鋭い音を立ててカミーユの右腕が宙に伸びる。

……ぶたれる……!!

わたしは恐ろしさで思わず目を瞑った。

でもその瞬間、わたしは初めてお酒の味をその舌で味わうことになった。






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