†神様の恋人†
「………ん~!」

……なに、これ?

舌が生温かい。

お酒の味ってこんななんだって、一瞬そんなことを考えた。

舌に絡まるお酒の味と匂いに酔いそうなほど頭の奥がツンとした。

自分がしていることの意味に気づくまで時間がかかる。

目を開くと、カミーユの閉じられた瞳から伸びる長いまつ毛が見えた。

なにこれ?

………なんなの……!?

「…やっ…カミーユっ」

無意識に目尻から零れてくる熱いものを感じる。

力任せにカミーユの裸の胸を押し上げようとしたけど、ビクともしない男の力に愕然となる。

なおも深く舌を入れてくるカミーユ。

……もう…やだっ……!!

「…やだぁっ!!」

その瞬間、やけくそで振り上げた腕がバシンとカミーユの頬に命中した。

「……っ」

カミーユは唇を離して怖い顔でわたしを見下ろした。

「泣いているのか?あんなに威勢が良かったのに、男には慣れていないんだな」

そう言って、可笑しそうにクスリと笑う。

「さいってい…!わたし…カミーユにずっと感謝していたのに…!」

その瞬間、カミーユは笑っていた顔を強張らせ、言い放った。

「オレは感謝なんていらない。オレが欲しいのは娼婦だけだ。行け。お前は娼婦にも足りない」

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