†神様の恋人†
ダルク家
幾頭もの羊の、朝の訪れを慈しんでいるかのような鳴き声に、ミシェルは目を覚ました。
すぐそばで、教会の鐘の音も美しく響く。
(……ここは?)
ミシェルは陽の光の差し込む小さなベッドの上に、上半身を起こした。
石造りの厚い壁に覆われた小さな部屋。
縫いかけの赤い布地が置かれた木のテーブル。
小さな窓からはすぐ近くに古い教会の姿が見えた。
考えて、すぐにこめかみに痛みが走り、頭を押さえた。
(……わた…し…?)
下着のまま立ち上がり、ふとベッドの上を見ると優しい色合いの青のワンピースが目に止まった。
その時、誰かが階段を上ってくる気配を感じ、ミシェルは慌ててワンピースを頭からかぶり体に通した。
おもむろに開け放たれたドアの向こうに、グレーの瞳をキラキラと輝かせた赤いワンピースの少女が立っていた。
少女は驚いた表情と同時に嬉しそうに白い歯を見せると、女の子にしては低く、だがよく通る声で言った。
「よかった!ボンジュール、ミシェル!あんまりにも目を覚まさないから、天使様じゃないかと疑ってたとこだったの。あ、そのワンピース、体にあってよかった。わたし、背が低いこと、今日だけは神様に感謝するわ!」
早口で最後はコロコロと楽しげに笑う栗色の髪の少女に、ミシェルは彼女こそ天使なんじゃないか……と、不思議な胸の鼓動を感じた。
そして、少女は天使のような笑顔で、ミシェルの頬にキスを落とし、食い入るようにミシェルの顔を見つめた。
「あなたとっても綺麗だわ、本当に天使様みたい!わたし、ジャンヌよ。ジャンヌ・ダルク。よろしく、ミシェル」
すぐそばで、教会の鐘の音も美しく響く。
(……ここは?)
ミシェルは陽の光の差し込む小さなベッドの上に、上半身を起こした。
石造りの厚い壁に覆われた小さな部屋。
縫いかけの赤い布地が置かれた木のテーブル。
小さな窓からはすぐ近くに古い教会の姿が見えた。
考えて、すぐにこめかみに痛みが走り、頭を押さえた。
(……わた…し…?)
下着のまま立ち上がり、ふとベッドの上を見ると優しい色合いの青のワンピースが目に止まった。
その時、誰かが階段を上ってくる気配を感じ、ミシェルは慌ててワンピースを頭からかぶり体に通した。
おもむろに開け放たれたドアの向こうに、グレーの瞳をキラキラと輝かせた赤いワンピースの少女が立っていた。
少女は驚いた表情と同時に嬉しそうに白い歯を見せると、女の子にしては低く、だがよく通る声で言った。
「よかった!ボンジュール、ミシェル!あんまりにも目を覚まさないから、天使様じゃないかと疑ってたとこだったの。あ、そのワンピース、体にあってよかった。わたし、背が低いこと、今日だけは神様に感謝するわ!」
早口で最後はコロコロと楽しげに笑う栗色の髪の少女に、ミシェルは彼女こそ天使なんじゃないか……と、不思議な胸の鼓動を感じた。
そして、少女は天使のような笑顔で、ミシェルの頬にキスを落とし、食い入るようにミシェルの顔を見つめた。
「あなたとっても綺麗だわ、本当に天使様みたい!わたし、ジャンヌよ。ジャンヌ・ダルク。よろしく、ミシェル」