†神様の恋人†
「お着替えはお済ですか?ミシェル様」

店の隅の小部屋で着替えているわたしに外から声をかけるオベール。

着なれない男性服に悪戦苦闘しながら、やっとなんとかまともな姿になったわたしは恥ずかしながらも部屋の外に出た。

「…ああ、いいじゃないか。ミシェル」

カミーユが笑顔でわたしの頭の先からつま先まで眺める。

「そ…そうかな?」

下は黒のタイツ風のぴっちりとした長ズボン、上は膝上10センチくらいの長さの青い絹のローブ。

いつもは麻のワンピースだから、ぴっちりとしていて足の形が膝上まで見える服なんて初めてで気恥ずかしいことこの上ない。

「…うん、この辺が男にしてはちょっと細すぎでもないけど…」

「!?」

カミーユがわたしの右足の太ももをわしづかみにする。

「…きゃ…」

悲鳴を上げようとしたわたしの口をカミーユが大きな手のひらで抑えた。

「…ふぐっ…ちょっ…カミ…」

「男は悲鳴を上げない」

「………」

…こいつ、試してんのか……!?

い、いいじゃない。やってやろうじゃない…!

「う~ん、でもまだ男というには…オベールどう思う?」

「…そうですね。私には可愛らしいお嬢さんに見えますが」

わたしはカミーユが長髪を結んでいる紐をむんずと解いて自分の肩までかかる金髪を一本に結んだ。

「オベールさん。ちょっとお願いがあるんだけど……」

「…は?」



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