†神様の恋人†
その娼館は路地裏の奥の奥、町の一番はずれだろうという場所に、ひっそりと立っていた。
「旦那、今夜は美女揃いですぜ。今日入ってきたばかりのあの子なんてどうです?」
いかにも悪徳商人というナリの男が、隣の部屋に座っている女たちの一人を指差す。
男はわたしとカミーユの身なりの良いことを確認してすぐに上客だと判断したのか、愛想もすばらしくいい。
わたしは打ち合わせしていた通りに、男に向かって指名したい女の名前を言った。
「エリザという女なんだが、栗色の巻き毛で歳の頃は20歳ほどだったと思うが…」
精一杯低い声で言いながらドキドキしていると、男は思い出したようにつぶやいた。
「…エリザ…ああ、あの女は生意気にも客を選びますが、よろしいですか?旦那」
「…客を選ぶとは…?」
恐る恐る言うと、男は特に気にする風でもなく商売っ気たっぷりに応える。
「顔も体も色気たっぷりな女なんですがね、なんせ心を病んでいまして。神に仕える男じゃないとだめだとかなんとか…ほんとおかしな女ですよ」
「旦那、今夜は美女揃いですぜ。今日入ってきたばかりのあの子なんてどうです?」
いかにも悪徳商人というナリの男が、隣の部屋に座っている女たちの一人を指差す。
男はわたしとカミーユの身なりの良いことを確認してすぐに上客だと判断したのか、愛想もすばらしくいい。
わたしは打ち合わせしていた通りに、男に向かって指名したい女の名前を言った。
「エリザという女なんだが、栗色の巻き毛で歳の頃は20歳ほどだったと思うが…」
精一杯低い声で言いながらドキドキしていると、男は思い出したようにつぶやいた。
「…エリザ…ああ、あの女は生意気にも客を選びますが、よろしいですか?旦那」
「…客を選ぶとは…?」
恐る恐る言うと、男は特に気にする風でもなく商売っ気たっぷりに応える。
「顔も体も色気たっぷりな女なんですがね、なんせ心を病んでいまして。神に仕える男じゃないとだめだとかなんとか…ほんとおかしな女ですよ」