†神様の恋人†
行きなさいって言われても……そんなこと、カミーユを置いて行くなんて、できないよ。
押しても引いてもビクともしないドアに手を当てて必死に考える。
……どうしよう、どうしたらいいの!?
その時、廊下のつきあたりのドアが軋みながらゆっくりと開いた。
わたしから10メートルは離れているそのドアは外への出口のようだった。
……あそこが外への出口なんだ。
その出口から入ってきた人影は、肩まで流れる黒髪を揺らしながら出口のすぐそばのドアの中へと消えていった。
骨格と背丈からして男性だろう。
きっと娼婦を買いにきた客に違いない。
……娼婦を買いにきた男性……。
こんな裏口から……?
なんだろう……妙に気になって鼓動が速くなる……。
「ね、ねぇ!裏口から入ってくる客なんているの?」
ドアの向こうの娼婦に問いかけてみると、意外にも早い反応が返ってきた。
「あら、あなたまだいたの?裏口から入る客なら特上の客ね。大金持ちか、有力者か、そんなところでしょ。今夜はそういえばすごい大金持ちが来るとか言ってたわね、シセのやつ。あなたそんなとこにいると本当に娼婦にされちゃうわよぉ?」
……間違いない、きっと彼だ……。
ジル・ド・レイ…………!!!
押しても引いてもビクともしないドアに手を当てて必死に考える。
……どうしよう、どうしたらいいの!?
その時、廊下のつきあたりのドアが軋みながらゆっくりと開いた。
わたしから10メートルは離れているそのドアは外への出口のようだった。
……あそこが外への出口なんだ。
その出口から入ってきた人影は、肩まで流れる黒髪を揺らしながら出口のすぐそばのドアの中へと消えていった。
骨格と背丈からして男性だろう。
きっと娼婦を買いにきた客に違いない。
……娼婦を買いにきた男性……。
こんな裏口から……?
なんだろう……妙に気になって鼓動が速くなる……。
「ね、ねぇ!裏口から入ってくる客なんているの?」
ドアの向こうの娼婦に問いかけてみると、意外にも早い反応が返ってきた。
「あら、あなたまだいたの?裏口から入る客なら特上の客ね。大金持ちか、有力者か、そんなところでしょ。今夜はそういえばすごい大金持ちが来るとか言ってたわね、シセのやつ。あなたそんなとこにいると本当に娼婦にされちゃうわよぉ?」
……間違いない、きっと彼だ……。
ジル・ド・レイ…………!!!