〜深愛〜届かぬ手紙〜
私達は特別、
何処へ出掛ける訳でもなく小西のマンションへと向かった…




『なぁ、リナ、
なんでお前、俺の誕生日いつ?とか聞かねぇ〜の』

部屋に入るなり
突然、小西のクチから出た言葉…



私は、
大好きな人の誕生日を知らなかった事にさえ気付いていなかった…



言葉が出ない…





『…小西、
ごめんあのっ、
アタシ…』


小西はニコッと笑う…



『ビックリしたぁ』



誕生日を知らなかった事…
それすら、気付かなかった事…

小西は全部お見通しかの様に言った…。





ショックのあまり
一歩も部屋に入れず固まっている私に
小西は
ゆっくり近付き
耳元でささやいた…




『今日なんだ…

俺も…』


『えっ』






心臓が止まりそうな程の
衝撃が走った。





『1983年3月14日、
ホワイトデーだ』



小西は、そう言ってピースをしながら笑った…
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