〜深愛〜届かぬ手紙〜
先にクチを開いたのは
父だった…



『小西君…』



『はいっ』




緊張が走る…






『リナは、
大事な一人娘だぁ』




『…はい』











長い沈黙が
心臓を鳴らせた…












『…どうか、
リナを幸せにしてやって
欲しい…』






『…えっ』



私達は声を合わせ驚く…







母は父の隣で
優しく見守っている…








父はゆっくり、
語り出した…








『…まるで、
昔の自分達を
見ているようだ…。


あの頃は、
まだ、父さんも母さんも
大学を出たばかりで、
お互い、まだまだ未熟だったし、金も無かった。


周りは二人の結婚に
大反対でなぁ〜。


父さん、何度も何度も
頭を下げたよ…



母さんを愛していたからね…



なかなか許しを
もらえなかったけど、


なんてゆうか…



根拠のない
自信が溢れてたんだろうなぁ…。』
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