〜深愛〜届かぬ手紙〜
…そして、



とうとう、引越しの日を迎えた朝…


小西はずっと…
アパートの前で私が来てくれるのを
待っていたが、

そこに現れたのは
母、一人だった…




私は母の声も聞かず、
見送りをヒドク拒んだ為、母は小西に謝りに行ったそうだ…





母はアパートの前でジッと待つ、小西の姿を見つけると涙を堪えて近づき、私が来ない事を伝えた…





小西は走り出し、
私の家の前で大きく叫んだ…



『リナちゃん
…ぜったい、
けっこんしようねっ』




そう言うと小西は
クッと唇を噛み締めて
後を追ってきたお母さんの元へ戻り、手を取ると、
自らアパートへと歩き出した…



母はそれを見て、
なんとしても小西に私を逢わせ様と家に入ると、


私は父に抱かれ、
ポロポロ…ポロポロと
大粒の涙を流していたと言う…
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