〜深愛〜届かぬ手紙〜
『…カスミぃ…』



『…。
タケル…、東京に行く前の日、ずっと秘めてた思いを手紙に書いて、その子に渡そうとした…って言ってた。「なんて書いたの?」って聞いても教えてはくれなかったけどね…
でも、その日、いつもの様に集まる仲間の中に、その子の姿は無かったって。
タケルは手紙を渡す事なく地元を離れた…。

…その時、自分の気持ちを封印したんだ…って。


「あの時、ほんの少しの勇気が俺には無かった…」
って、落ち込むタケルを
アタシは見てられなかった…



タケルが少しでも笑ってくれるなら…って



あの日…、アタシが
タケルを誘ったの




……まさかねぇ……


タケルの運命の人が、
リナだったなんてね



…何度離れても、
巡り逢う……。





…リナ…


リナがタケルと再会したのは…



偶然なんかじゃない…。



二人が本当に
出会うべくして
出会った…

「運命の人」だったからだよ』
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