〜深愛〜届かぬ手紙〜

ジッと小西と目が合った。




私は不安な気持ちを抱えながら電話に出た。



『…はぃ』


電話の向こうから聞こえてくる泣き声…。


コクッと息を飲んだ。



『リナぁぁあ』



『…カスミ？』



『アタシまだタケルの事、忘れてないのかなぁ？？ちょっとした事で彼氏とケンカしちゃって、そしたら急にタケルの声聞きたくなって…』



ヤダ…聞きたくなぃ。




『アタシ、タケルに「会いたい」って言っちゃったんだぁ』




…聞きたくなぃ…





『リナぁ、アタシ、タケルの事…忘れてないのかなぁ』





『…うん。』




『…ごめんね急に
なんか自分でもパニクっちゃって話したら少し落ち着いたぁ』



心臓の音が
カスミの声をかき消すくらい高鳴っていた。



『そっかぁ…。』



『うん。もう大丈夫本当ごめんまた明日、会社でねっ』


『わかった…。じゃあ。』