運命の路線



「おはよう」

 先程までは打って変わり、落ち着いた声で話してくる母。仕方なく俺も「おはよう」と返した。


「今日から学校だけど勉強の方は大丈夫なのかい?」

「んー……さぁ」

 テーブルの上に用意された朝食をいただきながら俺は母の問いを聞き流す。


「さぁ、ってあんた。もし、留年したらどうすんのよ? 来年は受験が控えてんのよ。そろそろ自覚持たないと」


「留年? ないない、俺そこまで馬鹿じゃねえし」


「確かにそうだけど……あんた悪運は強いけど、不運な事も多々起きるから」


「ぐっ……」

 反論出来ないのが悲しい。

「お願いだから、次は電車とかやめてよ」


 望んで跳ねられたわけじゃないんですけど……。


「大丈夫だって…………多分」

 断言出来ない自分に自己嫌悪! 俺はどっかの型無しコンビの片割れみたいに太股叩いてみる。
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