Ⅰ.二日間の彼女
あの先輩の名前はハッキリ覚えていた。
胡王 太郎。
読みはコノウ タロウって珍しい名字だったから。
なんかコノヤロウって感じがして笑ってたっけ。
「…じゃあ俺も帰ろうかな。亜美は帰るの?」
康介が自転車の鍵を取り出して、あたしを見る。
「ん。帰る。」
即答して、自転車置き場に向かう。
高梨先輩と、胡王先輩は先に帰って行った。
残されたのは、あたしと康介と無愛想な柳沢先輩。
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