Ⅰ.二日間の彼女


ら、拉致られろ…って。



「しっかり掴まらないと、振り落とされるぞ?」



そう言って、シャッと走りだす自転車の車輪。


あたしは、ただ先輩の背中に掴まってるだけで必死だった。



ドキドキとか、恥ずかしいとかより…




先輩の背中が何とも言えない淋しさに見えて。



逆にあたしが悲しくなってくるような、そんな背中をしていた。










一体、先輩はどうしたいのだろう。









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