Ⅰ.二日間の彼女
「じゃあ、答えは伝えましたからね?」
先輩は切なそうに笑う。
その切なさは、何も言わなくても分かってしまう。
「太郎から聞いた?」
「先輩が引っ越すコトですか?」
先輩は海を見つめ直した。
あたしも、それに習って海を見る。
「あと2日。」
「だそうですね。」
「うん………」
「じゃあ、あたしは2日間の彼女ですね。」
「何で2日間の彼女?」
あたしは、またキョトンとする先輩を見てクスッと笑う。