Ⅰ.二日間の彼女
「先輩が居ない毎日なんて、つまらないよ。」
これが、最初で最後の素直な気持ちでタメ口をきいた言葉。
「…ハハハ、俺が居ない毎日ねぇ。」
「絶対、寂しくなると思いますよ?」
先輩は意気なり立ち上がり、あたしの手を引いた。
「俺だって寂しくなるさ。」
そう言うのと同時に、あたしを抱き締める。
そっと、優しく。
大切なものを扱うみたいに。
温かくて、ずっとこの腕の中に居たいとさえ思えてくる……。