無口な王子様
私は、こんな風に考えられるようになった事を慶太に感謝しながら、丁寧に服をたたんだ。

そして、ピンク色の薄い紙でくるむと、きっちりと箱に詰めてリボンをかける。

こうして見ると、既製品のように見えて私は大満足だった。
その箱を、新しく買ってきた紙袋入れると玄関の靴箱の上に置きに行った。

後は出かける用意をするだけだ。

せっかくのクリスマスだもの。亜由美のように新しい服を買う余裕はなかったけど、今日は一番のお気に入りを着ていこう。

普段はあまりしないメイクにも力が入る。

きっと、いつも派手なメイクをしている亜由美はもっとすごい事になっているんだろう。

優奈も、今日はオシャレするって張り切っていた。

久しぶりに雪乃ちゃんも連れてくるかもしれないな。

私は、一人でニヤニヤしながらマスカラをぬった。


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