無口な王子様
だけど、私には慶太を幸せにする力なんてない。

慶太を引き取っても、また後悔するだろう。

「凜……お願いだよ。」

さっきまでとは打って変わり優奈は、不安そうに私を見ている。

私は優奈から逃れるように、視線をさまよわせた。

すると、足下に置いた紙袋に目が止まる。

……慶太。


私は、その瞬間我に返った。


どうして忘れてしまっていたんだろう。

そこには慶太への愛情が沢山詰まっているんだ。


慶太を幸せに出来るなんて思えない。

でも、幸せにしようとする事は出来る。

それが、このプレゼントだ。

唯一、自信を持って言えるのは、私が慶太の事を心から愛しているという事なんだ。
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