無口な王子様
「優奈……私がもし、間違った事をしたら助けてくれる?」

「もちろんだよ!」

優奈が頬を赤くして身を乗り出した。

「私、慶太を幸せにしてあげたい。」

どうしてだか、声が震えた。

「凛……じゃあ……」

「うん……。」

もう迷わない。

こんなに愛しい人を、そして有紀さんを無視するなんて出来ない。


私は私なりにやってみせる。

私は、洋子さんをまっすぐ見た。


「私、慶太を引き取ります。」

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