無口な王子様
恭子から連絡があるとは想像もしていなかった。

「あの……今いい?」
「うん、家だし。」

私の心臓は今にも壊れそうだった。

また何か言われるんじゃないか。

もう守ってくれる亜由美はいない。

不安ばかりが募った。

でも、恭子の言葉は意外なものだった。

「凜……ゴメン。本当にゴメン。」


私は正直、どう答えるのがいいか迷った。
まさか恭子が謝ってくるなんて思ってもなかった。

「許してもらえるなんて思ってないけど、謝りたくて……。」

「どうして?」

「うちらもう卒業じゃん。だから…」

「違うよ。どうして恭子が謝るの?」

「え?」

戸惑いはあるけれど、私は恭子に謝ってもらう必要なんてない。

「私が悪かったんだ。謝るのは私。本当にごめんなさい。」


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