無口な王子様
何故なら、そこには白い歯を覗かせて笑う和也の顔があったから。
私の知らない表情をしているけど、間違いない。
「和也くん、頑張ってたんだね。」
亜弥がそう言って、雑誌を私に差し出した。
私は亜弥から雑誌を受け取ると、その笑顔をまじまじと見つめる。
和也……変わったな。
髪も染めて、ピアスも空けちゃって、頬もキリッと引き締まったみたい。
私の中では昔の和也しかいなかったから、変な感じがした。