無口な王子様
「言うのはタダじゃん?ほら言ってみなよー!」

今度は私が、恭子の腕をつついた。

恭子は顔を真っ赤にして

「もー!ヤダなぁ!」

と私を睨んだ。

亜弥と私はその様子を見て爆笑している。

「笑わないでよねー!」

恭子は、そう言いながらほてった顔を手の平で扇いでいる。

その時、

「楽しそうだねー!」

と、背後から声がした。

振り返ると、優奈が立っていた。

今日はハートの付いたゴムでツインテールにしている。
「あ!優奈ちゃーん!助けてよー!」

恭子が優奈の腕にすがりつく。
この頃、私を通して4人でいる事が増えていた。

驚く優奈に、亜弥が事情を簡単に説明した。

すると、優奈はにんまりとして、

「言っちゃえば?」

と、恭子の頬をつまんだ。
そして、奇妙な声を上げてジタバタする恭子を見て、次は優奈も加わって笑った。

私はふと、このままずっとこうしていたいと感じた。
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