無口な王子様
生地選びは想像もしてなかったくらい大変だった。

やっと選び終ったと思ったら、次は裁断してもらう量に悩み、生地に合うボタンに悩み……

気付けば1時間以上かかってしまっていた。


亜由美を待たせている事も、すっかり忘れていた。

私は膨大な量の荷物を引きずるようにして、隣のカフェに急いだ。


……あれ??

お店を出てすぐの所に亜由美の姿が見える。

待ちくたびれたかな……

申し訳ない気持ちで亜由美に駆け寄ろうとすると

亜由美の前には男の子が立っていた。
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