無口な王子様
そう、あれは2年前。

高校1年の冬だった。

中学生2年から付き合っていた、和也。

幼かった私たちは、付き合い方も知らなくて何もかもが初めてだった。

だからこそ、何よりも誰よりも大切で、私も和也もこの恋は永遠と信じていた。

和也と一緒に見た映画や、手をつないで歩いた公園や、初めてキスをした観覧車。

全てが二人の思い出で、二人が一緒に生きていた証だった。
お揃いの携帯に、二人が抱き合って笑っているプリクラを貼ったり、明方までお互いの夢を電話で話したりもした。


中学を卒業して違う高校に通う事になったとき、和也は私を毎朝迎えに来てくれた。

私の学校の方が近いから、和也は毎日遅刻ギリギリになってしまうのに。


どんな時でも、私のわがままを聞いてくれたし、私が喜ぶ事はどんなことでもしてくれた。






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