無口な王子様
その後、私達はソワレに向かった。
クリスマスまで時間が無いのもあって少しでも作業を進めたかったからだ。
それに、どうしても慶太に会いたかった。
有紀さんは私の異変に気付きながらも何も言わなかった。
その代わりに、コーヒーではなくマシュマロを浮かべたココアを淹れてくれた。
私は慶太に寄り添うように座ってココアを飲みながら、亜由美が奏でるミシンの音に聞き入った。
そうしていると、少しだけ気分が良くなってくるのが分かる。
「亜由美、ありがとう」
私の声はミシンの音で消されてしまったけど、それで良かった。
亜由美はそう言われるのを望んでいないと分かっていたから。
クリスマスまで時間が無いのもあって少しでも作業を進めたかったからだ。
それに、どうしても慶太に会いたかった。
有紀さんは私の異変に気付きながらも何も言わなかった。
その代わりに、コーヒーではなくマシュマロを浮かべたココアを淹れてくれた。
私は慶太に寄り添うように座ってココアを飲みながら、亜由美が奏でるミシンの音に聞き入った。
そうしていると、少しだけ気分が良くなってくるのが分かる。
「亜由美、ありがとう」
私の声はミシンの音で消されてしまったけど、それで良かった。
亜由美はそう言われるのを望んでいないと分かっていたから。