無口な王子様
少し期待をしていたのに、店内は外観と同じく昔からある喫茶店そのものだった。

なんだかがっかりだ。

窓から見た正面はカウンターで、奥の壁には作り付けの棚がありズラーッとカップやソーサーが収納されている。

フロアには円い4人掛けのテーブルが2つ。

それ以外は死角になっていて全く見えない。

でも、お店の広さから見て後は何もなさそうだった。

あまり外からジロジロ見ていてお店の人に見つかったら、気まずいどころじゃ済まないと思い、私はその場を離れることにした。

きっとあの女の子はここの知り合いか親戚か何かだろう。

それ以外だったとしても、私には関係ない事だし。


そう思うと急に好奇心が消えて、私は暗くなりだした帰り道を急いだ。
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