無口な王子様
その魔法のおかげで、私は有紀さんに事の次第を全て話せた。

もちろんうまく話す事なんて出来なかった。

でも、有紀さんは忍耐強く私の話を聞いてくれて、

「いい経験をしたじゃない。」

と言った。

「その友達が大切な存在だって気付けたのよ?
確かに凛ちゃんはちょっと失敗してしまったけどね。
きっと凛ちゃんと同じ分だけお友達も辛いのよ。
仲良しのお友達なら余計にね。」

「でも、私どうすればいいか……。」

「そうね……。時間を置いてからお話してみたほうがいいわよね。
その間は辛いかもしれないけど、大切に思いあってる友達はいつか重なるものなのよ。」


私は有紀さんの言葉に、亜弥と恭子の顔が浮かんだ。

いつか重なるもの………。

私達3人がそうなればいいとこころから願った。

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