キミと一緒
もちろん光は懲りずにまだ陸を睨む。

「うぉっ!そんな顔すんなよー」

それには全く動じない陸。

正直、涼香はそんな陸を関心していた。

「まぁこれも何かの縁って事で仲良くしようぜ☆」

「…」

陸は明るく振舞っているものの光の方は全く無表情だ。

「ちょ…光!折角なんだし仲良くしてあげて?ね??」

「っち」

「あ!舌打ちされたー」

涼香がよくよく見ると陸も光の顔色を窺っているようだった。

「ねぇ光…」

「わかった。よろしく。俺は木ノ下光」

「西野陸♪クラス一緒だといいな!」

最後の言葉は涼香に対して言ったのだと気がついた。

陸はばっちり涼香を見てウインクしていたからだ。

「じゃーな」

そう言って陸は去っていった。

「嵐のようなやつだな」

光がそう呟いてふっと笑った。

「っ!!」

笑った、久しぶりに、光が。

涼香はたまらず光を見つめた。

「どうした?涼香」

「な…なんでもない!」

涼香は声に出しては言えないが、心の中では喜んでいた。

だって彼女は光のこの笑顔に惚れたのだから。

このまま笑ってくれてたらいいのにと彼女は何度思ったことか。

でもこれもあまり長くは続かなかった…
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