キミと一緒
「で、どこか怪我したの??」

涼香が連れてこられたのは、おしゃれなカフェのスタッフルームだった。

そのカフェはどこか涼香をホッとさせてくれた。

「怪我は…してません」

「じゃあ何で泣いてたの??」

涙も止まり、涼香は出されたコーヒーをゆっくり口に運ぶ。

「えっと…」

「あ、自己紹介まだだったね。俺は、西野 陸!!友達になろうよ♪」

ニシノ リク

今まで男子との接触を禁じられていた涼香にとって久しぶりというか、初めての男友達だ。

「姫都 涼香…」

「ひめと??ぴったりじゃん☆涼香って呼んでいい??」

こくんと涼香が頷く。

「えっと…高校生??」

「今年から…」

「うっそ!!俺とタメじゃん」

「そうなんだ」

陸は涼香にとってとても話しやすい人だった。

「で…何でないてたの??」

「陸くん」

「ん??」

「彼氏が、怖いっていったら…笑う??」

おどおどと陸の顔色を伺いながら涼香は話した。

「怖いの…??」

「う…ん。バカみたいでしょ??両思いだったから付き合ったのに、今じゃその彼氏が怖いなんて…」

涼香が消え入りそうな声でしかもポツリポツリと話す。

「バカじゃねーよ??怖いってのはわかんねーけど…好きじゃなくなる事は誰でもあると俺は思うけど」

「そうなのかな??」

「おう☆ってか別れれば??泣きたくなるほど怖いんなら」

陸が、美紀と同じことを涼香に言った。

「できない…の」

PIPIPIPIPIPI~♪

その時、涼香のケータイが鳴り出した。
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