ペアリングに愛をこめて

「無理して笑ってることも。俺を見てないことも。俺にハルを重ねてることも全部」



顔をあげた拓哉は笑顔だった。



「理世だって本当は俺といても楽しくないだろ?作り笑顔してる理世を見てる俺も辛いんだよ」



拓哉…全部わかってたんだ。



「俺は、ハルの代わりにはなれない。いくら理世が俺にハルを重ねても、俺は俺だから」



「拓哉……」



「…俺はずっと理世だけを見てきたのに、理世は俺を見ていてくれなかった」



拓哉は悲しそうに眉を歪めた。









< 132 / 173 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop