ペアリングに愛をこめて
どちらともなく手を繋いだ。
拓哉の手は、大きくて温かかった。
「理世」
「何?」
「別れよう」
「…うん」
「別れて、ハルのところにいけよ」
「…うん」
拓哉の声は震えていた。
ゆっくりと手が解かれる。
拓哉がアタシの背中を押す。
「先、行けよ」
「いいよ。拓哉から先行ってよ」
拓哉は首を横に振る。
「最後にもう少しだけ理世のこと見てたいから…先に行って?」
もう1度拓哉がアタシの背中を押す。