ペアリングに愛をこめて
数分後。着いた先はやっぱりお葬式場。
入口には『阿達家式場』と書いてある。
ハルの名字、阿達っていうんだ。知らなかった。
…アタシ、ハルの何も知らないじゃん。
中に入ると、黒い服を着たたくさんの人たちが泣いていた。
…みんなどうして泣いているの?
アタシには泣く意味がわからない。
人をよけながらゆっくり前に進む。
そこにはハルが寝ていた。
青白い顔で、目をつむって。
けどいつもと変わらない優しい顔で。
本当に寝ているみたい。
けどその頬に触れてみると、冷たい…