ペアリングに愛をこめて
そこには、小さなダイヤの付いた指輪。
これを買うために、2ヶ月間もバイトしてたの?
これを買うために、死んじゃったの?
「ハル…何でこんな…」
嬉しいよ、ハルのバカ。
指輪なんてずるいよ。
「あと、これもハルが持ってたんだ」
拓哉から受け取ったのはクシャクシャの手紙。
雑な文字で、“理世へ”と書いてある。
ゆっくりと手紙を開く手が震える。
そこには懐かしい、ハルの手書きの文字。