ペアリングに愛をこめて
アタシはまた話しかける。もう二度と目を覚まさないハルに。
「ハル…アタシ達、両想いだったんだよ?ハルがこんなにアタシを想ってくれてたなんて、知らなかったよ」
「あたしもハルと同じくらい、ハルが大好きだよ」
「…指輪、ありがとね。もうつけちゃったよ、左手にね……」
「あ、そうだ!アタシもハルにプレゼントあるんだぁ…」
ハルへのプレゼント。それは、アタシとお揃いのペアリング。
ハルがいなかった3カ月の間に、お金を貯めて買ったプレゼント。
もっと早く…そして、笑顔でハルに渡したかったけれど。
もう叶わないね。