ペアリングに愛をこめて
もう両想いになれなくてもいい、
ハルがアタシを見てくれなくてもいいって思えた。
けどそれは、ハルのことを諦めたわけではなくて
セフレでもいい、どんな形でもいいからハルと繋がっていたいっていう気持ちが強くなっただけ。
いつか、アタシとハルを繋ぐものが『セフレ』という関係ではなく、『愛』に変われる日がくるといいな。
「ほら、もっとこっちこいよ」
ベッドの中をモゾモゾと動き、ハルの腕に包まれるアタシ。
「あったかいね」
「うん。あったかい」
『セフレ』という関係でも、アタシは幸せだった。
けど、
この時のアタシはちっぽけで
大切なことが見えてなかった。
だから、
このちょっと歪んだ幸せがもう二度と訪れることがないなんて、この時のアタシは知らなかった。