Libra ~揺れる乙女心~
「後悔しないで…」
涙の止まらない俺の背中に手を置いた鈴子。
その手をずっと俺の背中に置いていて欲しかった。
後悔に苦しみ、自分を責める俺のそばで、「間違っていないよ」と俺を慰めていてほしかった。
俺の弱い部分も何もかも、鈴子にだけはわかってもらえている気がしていた。
その胸に飛び込みたいと思った。
母のような温かい手で俺を包んで欲しかった。
俺は
後悔の波に飲まれて、消えちゃいそうだった。