Libra ~揺れる乙女心~
部室の扉に書いた『鈴子LOVE』 の文字を見つめた。
キツイ練習の合間にこっそり抜け出して、鈴子とここでキスをしたっけ。
「だって…第二ボタン…ないじゃん」
どうしてそんなことを言う?
お前が欲しいのは俺のボタンじゃないだろ?
早くしないと、隆介のボタン誰かに取られちまうぞ。
「あぁ、ここにあるよ。」
ポケットから出した第二ボタンを鈴子に見せた。
鈴子が
俺の胸に飛び込んできた。
俺は部室の扉を閉め、鈴子を抱きしめた。
窓から差し込む光と、
部室の前でのみんなの話し声が、
俺の心臓をドキドキさせた。