Libra ~揺れる乙女心~
3回裏【健太】
火薬の匂い
~健太~
ドドーーーーーーン!!
腹に響く花火の音がますます俺の恋の炎に拍車をかける。
鈴子と2人で見ることができた。
例え、鈴子の気持ちが他の場所へ向いていたとしても、
今、この瞬間・・・
俺と鈴子は2人で花火を見た。
鈴子は飛び上がって喜んだ。
俺の浴衣の袖を引っ張るから、俺は浴衣が乱れて大変だ。
俺は、花火より鈴子を見ていたかった。
花火のように
次から次へと表情を変える鈴子を
見ていたい。
俺じゃだめ?
俺じゃ、隆介の代わりにはなれない?
俺は、鈴子だけをちゃんと大事にする。
野球も鈴子も両立してみせる。